経頭蓋磁気刺激(Transcranial Magnetic Stimulation 以下:TMS)とは、写真のような八の字型コイルなどを利用して、垂直方向に発生させた磁力により、大脳を局所的に、ほぼ無痛性に刺激する手法です。
この手法は、元々検査目的で用いられていましたが、近年になり、TMSを反復して行うことにより、脳の活動性が変化することが明らかとなりました。
当院の治療では、1秒間に1回という低頻度の刺激を、病巣がない側の大脳(健側大脳)に行います。
低頻度刺激は、刺激を与えた部位の神経活動を抑えると報告されています。このため、図のように、健側大脳に低頻度TMSを行うと、健側大脳の活動が抑制され、病側大脳にかかる半球間の抑制が低下します。
その結果、機能代償を担うとされる病巣周囲の組織が抑制から開放され、活性化されることが期待されます。
このことは、リハビリを行うにあたって、有利な条件となります。