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診療受付日時

月~土
  8:30 ~ 12:30
13:30 ~ 16:30
休診:日曜・祝日

所在地

〒123-0853
東京都足立区本木1-3-7

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リハビリテーション科

髙田 耕太郎(たかた こうたろう)
リハビリテーション統括部長、リハビリテーション科医師
出身大学 東京慈恵会医科大学医学部卒業
専門・資格 日本リハビリテーション医学会専門医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医、日本リハビリテーション医学会指導責任者

リハビリテーション科の診療内容と特色について

「当科では、疾患により様々な障害が引き起こされ、リハビリテーション(以下、リハ)が必要となった患者さんを対象に、診療を行っています。当院では、90床の回復期リハ病棟を中心に、一般病床においても入院中に充分なリハを提供できる体制を整えています。一般にリハというと、訓練室でセラピストと一対一で行うというイメージがありますが、それ以外にも、病棟や病室で在宅復帰後の生活を想定した生活リハや家族指導を行ったり、家屋評価や外泊訓練を実施したりするなど、病棟や地域のスタッフと連携して、早期の在宅復帰を目指しています。
また、自宅退院後も必要に応じて、医療保険による外来リハあるいは介護保険による通所リハ、訪問リハを実施し、最終的に社会復帰や在宅生活の自立、日常生活動作における介護量軽減などを目指します。」

「当院には、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚療法士(ST)合わせて60名程度のセラピストが在籍しており、当法人内のその他の事業所も加えると100名近いスタッフがリハビリテーションに係わっており、関連する職種もPT,OT,STといったセラピスト以外に、医師、看護師、介護士、ソーシャルワーカー、ケアマネージャーなど多様なので、職種間のコミュニケーションを意識しながら、診療を進めています。」

診療にあたって心がけていること

「リハ実施においては、「発症早期から開始すること」、「集中的に、充分な量を行うこと」、「多角的、総合的に実施すること」、「継続すること」の4つを掲げて、行っております。」

「診療にあたっては、患者さんの病気や障害だけでなく、“全体”を診ることを心がけています。例えば、高齢な方の場合は、リハの対象となる主な疾患以外に、様々な合併症を抱えていることが少なくありませんし、運動麻痺がある足とは反対側の足の筋力低下や膝の状態が悪いことが原因で、歩けない場合もありますから、患者さんの状態を多角的に評価することが必要になります。
また、ご本人が望んでいても、周りの生活環境が整わないとなかなか退院できませんので、患者さんを取り巻く環境やご家族との関係性についても考えるようにしています。退院後も必要に応じて、地域のスタッフと連携することで継続したフォローアップを行い、患者さんとご家族のQOLを高めていく努力をしています。」

リハビリテーション科の対象となる疾患・治療法

「当科では、対象疾患を制限することなく、オールマイティーなリハを目指しています。実際に対象となる疾患は、脳卒中および脳疾患、脊髄損傷および脊髄疾患、パーキンソン病などの神経筋疾患、骨折などの骨関節疾患、切断、 呼吸・循環器疾患、肺炎や手術後の廃用症候群など様々です。割合は、脳・脊髄・神経疾患が全体の約5割、整形外科領域の骨・関節疾患が3割程度でしょうか。整形外科、一般外科の手術の場合は、呼吸リハを含めて、術前・術後のリハを行っています。対象となる年齢は、脳血管障害の場合は60~80歳台が多いですが、労災や交通事故後の20歳台から誤嚥性肺炎後の90歳台の患者さんまで、幅広くいらっしゃいます。」

「治療法は、リハとして一般的にイメージされる筋力強化訓練や歩行訓練といったもののみならず、日常生活動作(ADL)訓練、言語聴覚療法、摂食嚥下療法、温熱療法、義肢装具療法、高次脳機能障害へのアプローチ、家屋調査や環境調整など多岐にわたります。
また特徴あるものとして、発症から1年以上経過した脳卒中患者さんを対象とした、反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)と集中的上肢機能訓練を組み合わせた治療法を実施しています。この治療法は、東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座主任教授の安保雅博先生が開発されたもので、全国でも限られた医療機関でしか行われていません。当院では平成26年4月から治療を開始し、現在多数の申し込みを頂いております。ご興味がある方は、ご連絡ください。」

こんな症状があれば当診療科へ

「脳卒中や骨折などで入院していて、リハビリテーションが必要になったら、ご相談ください。その際は、まず当院の地域連携室にご連絡いただければ、現在入院されている病院と連絡を取って、具体的な話を進めます。
また、自宅で生活していて、原因ははっきりしないが、身体が動かなくなったり、ふらついたり、転んだりするような場合も、お気軽にご相談ください。当院の受付にお電話をいただき、「リハ外来を受診したい」と予約されれば、スムーズに受診できると思います。」

日常生活におけるアドバイス

「なるべく運動する習慣を持って、体を動かしましょう。それから、自分の体の状態に興味を持って、時々確認することも大切です。3年ぐらい前と現在の状態を比較して、どこがどう変わったかをチェックするのも良いかもしれません。
このようなことは、最近話題になっているロコモティブシンドローム(運動器症候群:加齢に伴う筋力の低下や関節や脊椎の病気、骨粗鬆症などにより運動器の機能が衰えて、要介護や寝たきりの状態になってしまったり、その危険が高くなったりする状態)の予防にもつながります。当院では、ロコモティブシンドロームに対するリハについてもアドバイスしておりますので、気になる方はご相談ください。」

地域のみなさまへ

「当院は2014年4月に東京都から「東京都区東北部地域リハビリテーション支援センター」の指定を受けました。地域リハ支援センターは、地域におけるリハ全般について、相談を受ける窓口となっておりますので、いろいろとご相談いただければと思います。
例えば、回復期リハの適応外となっている患者さんについても、リハ医の見地から今後のリハの方針などについて、お答えできることがあるかもしれませんので、ご一報ください。」

地域の診療所や病院との連携

「当院では脳卒中地域医療連携パス協会と足立区脳卒中情報ネットワークの2つの地域連携クリニカルパスを運用するなど、地域の病院や診療所との連携に努めています。
回復期リハ病棟に入院される患者は、急性期病院からの受け入れが多いです。具体的には、東京女子医科大学東医療センター、日本医科大学附属病院、東京慈恵医科大学の本院と葛飾医療センター、西新井病院、博慈会記念総合病院、東京北部病院などです。
また、当院から自宅に退院される際は、必要に応じて訪問医など、地域の診療所の医師をご紹介しています。脳血管疾患や誤嚥性肺炎などの疾患は、再発することも少なくないですから、ご紹介した地域の診療所から当院に再度入院されるというケースもあります。」

私の健康法

「私の健康法は、「食べ過ぎない」、「飲みすぎない」、「適度に体を動かす」でしょうか、すごく普通ですね(笑)。休日に走ったりもしますが、定期的な運動としては、週1回護身術のレッスンに通っています。リハ指導では身体を動かす機会も多いですし、もともと武術とかは好きなので、始めました。私が習っているものは、イスラエルで発達したものなのですが、体の自然な反射や反応から護身の動きがスタートするので、覚えやすく、忘れにくいことが特徴のようです。結構、面白いですよ。」